これは、精霊界におけるモス孤からダエ孤までの三千二百年間,地上およびその天界において、アポロの後継者であるトールの記録です。
【1章】
- 精霊界のドンガのオリアン長トール。
パラの神。
ヨレッツおよびタッサの測量者、
ガレブの神、
サファーならびにホエソーニャを管掌する者、
ヴァルツ、ロー、イサインの神、
また精霊界ヒツナ、クタラン、シーイン、セサワン、ハババクの評議官。
――ここに宣言します。 - ドンガにおける男神女神の神聖評議会において、ジェホヴィの声がトールに届き、こう仰せになりました。
- 「息子よ、赤き星、地球を見なさい。
彼女はモスからダエへと巡行し、今はアサスの沼地に引きずられています。
見よ、あなたは三千二百年にわたり、あなたの支配領域を通して彼女を導き、救い出さねばいなりません。
今まさに、ガンの夜明けが近づいています」 - トールは神聖評議会の前で、ジェホヴィの精霊の玉座に立ち、こう述べました。
「ご覧なさい、若き世界、地球が我らの領域に入って来ます。
彼女は三千二百年のあいだ、ドンガの原野を旅することになります」 - そこで神聖評議会は、地球とその天界、また三千年にわたりドンガを通過する、すべての他の物質界の事柄について審議しました。
そして、審議に上った諸世界の中で、最初にダンの夜明けを迎えるのが地球であることが明らかとなりました。 - そこでトールは、地球の過去の歴史が通過した天路、アバーワイスの領域を駆け巡る”天穹を駆ける迅使”たちを呼び寄せました。
迅使たちは到来し、ジェホヴィの玉座の前において、地球がいかなる世界であるか、また彼女が涅槃へと送り出した天使たちの収穫について報告しました。 - 彼らの報告が終わり、神聖評議会における審議が始まったとき、ジェホヴィの子、トールは言いました。
- 「この世界、地球の現在の状況をさらに詳しく知るため、ここに命じます。
ガンモットの神ヤタイは、百万人の志願者を選び、一隻のエアリアタにて地球とその天界へ赴き、彼女の神および主神たちを訪ね、天使と定命の者たちの状況を確認し、ドンガへ帰還して報告しなさい」 - かくして精霊界のガンモットの神ヤタイは、この任務に任じられ、命ぜられたとおりエアリアタを整え、百万人の精霊人を伴って、地球およびその天界へと向かいました。
- ヤタイが大気界のガウにある、神の玉座に到着すると、神は主神たちに参集の招請を送りました。
これに応じて集まった主神は、七十二柱でした。 - 神はヤタイに言いました。
「ご覧ください。地球と大気界の天界は偽主神と偽神で満ち溢れています」
ヤタイがその数を尋ねると、神は言いました。
「三万を超える神と、十六万を超える主神です。
ご覧ください、地上のどの大都市にも、偽神または偽主神が存在し、彼らは地上にさえ、自らの小さな天界の王国を有しています。
その地で死んだ霊魂は、彼ら自身の権威を高めるため、奴隷とされています」 - これら多くの天界の王国では、戦争と無秩序(地獄)が広がり、天使たちは絶えず互いを苦しめています。
しかも、偽神や偽主神、その臣下たちは誰ひとり、自分たちよりも高位の天界の存在を認めようとはしません。 - 新たに死んだ霊魂は捕らえられ、ジェホヴィとその広大な創造を知らされぬまま、偽主神や偽神を拝し、彼らに服従させられます。
そしてこれらの霊魂は、定命の者たちと近接して存在するため、同じ崇拝を彼らにも吹き込み、やがて死に際して、崇拝していた者の支配下へ、奴隷として落ちていくのです。 - 天界における戦争は定命の者たちを触発し、地上に戦争を引き起こしました。
かくして世界の至るところで、終わりなき戦が続いています。 - 地上の戦場で殺された者たちは、自らが(地上において)死んだことを知らぬまま、混沌のうちに霊魂として生まれ、戦場に留まり続け、今なお想像上の敵と戦っています。
- 地上の至るところに、混沌の霊魂、ドルク、ドルジュ、ヤク、”地上人”の霊魂で覆われた戦場があり、彼らは野の獣以上の知を持っていません。
- それゆえ、ヤタイよ、オリアン長にしてジェホヴィの子、トールのもとへ帰り、次のようにお伝えください。
『地球の神には、天使と定命の者たちを、この大いなる闇から救い出す力がありません。
ジェホヴィの御名において、私と私の王国を救済するため、お越しくださるよう懇願いたします』と」 - ヤタイは、地上の人種と、それぞれの終焉の時期について尋ねました。
- 神は言いました。
「一万二千四百年の後、塚を築くイヒン人は終焉を迎えます。
その日、ガン族は、地球のすべての陸と海において勝利を収めているでしょう」 - ヤタイは、求められていた情報をすべて得て、また地球とその天界の諸領域についても学ぶと、同行者とともにエアリアタに乗り、主要な場所をすべて巡察したのち、精霊界のドンガに帰還しました。
そしてジェホヴィの子トールの前に立ち、地球とその天界の現状について自ら知り得たすべてを報告しました。 - その時、ジェホヴィの光がトールのもとに臨み、こう仰せになりました。
「息子よ、十分な数の精霊の軍勢を率い、赤い星とその天界へ赴き、私の名において彼らを救い出しなさい」
【2章】
- トールは三千万人の志願者を募り、アヴァランザと呼ばれる精霊の火の船を備え、そこで四年二百三十八日を過ごすことになる赤い星へ向けて出発しました。
この滞在は、トールにとって「ドンガのダンの夜明け」と呼ばれました。 - その後、トールと三千万の志願者は、精霊界の外方へと速度を上げ、アサスの沼地、ブロドウィスキの畑を抜け、ヘソンガの精霊の海を通り、モス弧を経て、地球の渦の境界チンバットへ至りました。
そこに留まることなく、神の玉座ガウへと火の船で急行しました。 - 神と主神たちはトールの来訪を知ると、都を整え、第二の復活を待つすべての天使たち、さらに来ることを選んだ第一の復活の天使たちを集めました。
ガウには合計九億人の、ジェホヴィを信じる天使たちが集っていましたが、そのうち百万人ほどは、精霊人を見たこともなく、地球の外へ出て大気界の第七天高原を越えたこともありませんでした。 - その群衆の中へ、トールと三千万の人々はガウの天界の都に降り立ちました。
神々の作法に則った挨拶ののち、神の玉座から一日の余暇が宣言され、大気界と精霊界の人々は喜びをもって交流しました。 - トールは神の玉座に上り、次のように命じました。
- 「百万人の執行官を偽主神・偽神のもとに派遣し、彼らを逮捕してガウに連行し、裁きを受けさせる。
- 百万人の捕縛官をもって、偽主神・偽神の玉座と神殿を接収し、これを保持する。
- 八百万人の捕縛官を、堕天に派遣し、奴隷天使たちを招集する。
- 六百万人の解体人をもって、混沌の霊魂が集う地獄(天界の戦場)を解体・消滅させる。
- 六百万人の医師を配置し、胎児霊を定命の者から霊的に分離・保護する。
- 二百万人を、人生を全うする前に天界へ来た幼児および要介護者の霊魂のため、エスヤン保育園の創設に充てる。
- 百万人を、混沌の天使および病に倒れた者たちのため、病院の創設に充てる。
- 五十万人の元帥。
五十万人の使者。
三百万人の建設労働者」 - 適任者が選ばれると、彼らはそれぞれの任務に就くため、各所へ派遣されました。
- トールは、夜明けの時代に向けて、ガウの評議会を再構成しました。
- こうして、トールとその軍勢が地球とその天界を解放している間、神と主神たちはしばし休息に入りました。
- 一年のうちに、すべての偽主神、偽男神女神は逮捕され、ガウへ連行されました。
彼らが全員集められるまで、トールは審判を下しませんでした。
この時、経過を見届けようと、何百万もの天使たちがガウに集まりました。 - トールは彼らに言いました。
「私の力が、あなたたちの力よりも大きいことに、まだ気づかないのですか?
それは、なぜ可能なのでしょうか。
私には三千万の軍勢しかありません。
あなたたちには、三百億を超える軍勢がいるではありませんか。
それでも、私のほうが強力だというのですか?
見なさい。
私は、あなたたちの天界と、そのすべての支配者を検挙しました。
なぜ、こうなったのか。
私の力は、どこから来たと思いますか?」 - 誰一人として、トールに答える者はいませんでした。
- トールは言いました。
「私の軍勢は一つです。
だが、あなたたちは分断され、一人がまた別の者と対立しています。
そうです、あなたたちは皆、無秩序の中にあるのです。 - これを、私はあなたたち全員に宣言します。
まず第一にジェホヴィがあり、創造主は自らの創造を、すべての被造物に与えられました。 - 地と天の要素を統べることを学ぶ――
それこそが、あらゆる力を得るための基礎です。 - あなたたちは、地上の天界という場所に自らを縛り付けているため、本来あなたたちのために備えられている場所へ昇ることができませんでした。
さあ、今、私に答えなさい。
これから何が起ころうとしているのか、世界はどのようになると思いますか?」 - すると、多くの偽主神と偽神たちは、次のように答えました。
「あなたが怒りに任せて、私を地獄へ投げ込まれるのを恐れ、自分の考えを口にすることをためらっています」 - トールは言いました。
「ジェホヴィを知り、ジェホヴィに仕えることを学んだ者は、地上においても天界においても、何ものをも恐れはしません。
恐怖とは、弱さが表に現れたにすぎないのです。 - それゆえ、あなたたちが何を望むのか、言いなさい。
いかなる危害も、あなたたちには加えません」 - すると彼らの多くが言いました。
「神よ、私はこう悟りました。
ここには地球と、多くの天界があります。
強き定命の者が弱き者を支配し、強き神々が弱き者を支配しています。
それゆえ、私をあなたの奴隷としてください。それで満足なのです」 - トールは言いました。
「私は、あなたたち全員に、さらに大きな試練を与えます。
私は、あなたたちに自由と解放を与えます。
行きたいところへ行きなさい。
私は、あなたたちに仕えてもらおうとは思いません。ただ、これだけを告げておきます。
『ジェホヴィに仕え、自分より低きにある者を、誰であれ引き上げなさい』と」 - 彼らは答えました。
「何処へ行けばよいのですか?
私たちは、天界から別の天界へ至る道も、地球へ降りる道も知りません。
あなたは『ジェホヴィに仕え、自分より低き者を引き上げよ』と言われますが、私たちは自分自身さえ引き上げることができません。
もし大いなる富や力、叡智があれば、弱き者たちを喜んで助けるでしょう」 - トールは言いました。
「まことに、あなたたちは闇に属する神々です。
私はあなたたちに言います。
何かを待とうとせず、直ちにジェホヴィに仕えなさい」 - 彼らは答えました。
「まず自分たちのための道が整えられたなら、その後でジェホヴィに仕えましょう」 - トールは答えました。
「あなたたちは、この世界すべての闇を語ったのです。
私はあなたたちに言います。
まずジェホヴィに仕えなさい。その後で、私のもとへ来なさい。そうすれば、あなたたちに何が欠けているのかを見極めましょう」 - 彼らは言いました。
「衣もなく、食べ物もなく、住まいもないのに、どうして他者を助けることでジェホヴィに仕えることができるのですか?」 - トールは言いました。
「その問いを発するのは構いません。しかし、私はこう言います。
その問いは、自らの魂に向けなさい。
見なさい、御父は必ず答えます。その問いを、毎日、毎時間、自分自身に問い続けなさい。
そして、自らの手の労働によって、それに答える機会を見張りなさい」 - それから、偽神と偽主神たちは拘束から解放されました。
- トールは、玉座と天界の火の柱の光を、それぞれ、より高い段階へと引き上げるよう命じました。
偽主神と偽神たちは、その光のまばゆさを恐れて逃げようとしましたが、行き先を知りませんでした。 - トールは彼らに言いました。
「下天の要素すら制御できないあなたたちが、どうして主神や神を名乗ったのですか? - あなたたちに告げます。
ジェホヴィの宇宙の領域は無限です。
誰も、自分にできないことを為そうとしてはなりません。
しかし、少しずつ、自分を取り巻く要素を制御することを学んでいけば、やがてジェホヴィの美しい大宇宙を横断する術を身につけ、真に男神女神たちにふさわしい友となるでしょう」 - 偽主神と偽神たちは言いました。
「私たちには教え導いてくれる者が必要です。
どうか、学び方を教えてください!」 - トールは、彼らが復活に向かうにふさわしい心境にあると見て、教師と戒律者を割り当て、教育のための開拓共同体に送って働かせました。
【3章】
- トールは言いました。
「人間と天使たちが、自ら復活の道を見出すよう促すこと――それこそが、あらゆる教えの中で最も偉大なものです」
人間は言いました。
「神よ、あなたの僕を引き上げてください!」 - 主神は言いました。
「手を上げなさい。そうすれば、私はあなたの手を取りましょう」
しかし人間はそうしませんでした。
人間は言いました。
「主神よ、賢く聖なる天使たちを遣わし、私を正義と善行へ導いてください!」 - 主神は言いました。
「あなたが神に求めることを、そのまま、あなたの仲間たちに行いなさい」
しかし人間はそうしませんでした。 - 地上の人間がそうであるように、私たちは堕天においても、同じ姿を見いだします。
- 天使たちが自らの手で掴み、自らの才能を鍛えることで自己の成長を遂げるよう促すこと――それが、主神や神々の務めです。
そして、彼らに支配を悟らせることなく正道へ導くことこそが、叡智なのです。 - 人間の第一の欲求は食であり、第二は性の欲求、第三は他者を自分に仕えさせる欲求です。
この最後を成し遂げた者こそ、真に”悪の王子”です。
なぜなら彼は、他者を傷つけることによって支配するからです。 - 人間がこのような住処を地上で自らの魂に築くならば、天界において幸福を得ようとする努力は、いかに空しいことでしょうか!
人間に過去のすべてを清算させ、他者に完全な償いをなさせること――それこそが、闇の霊魂に対する神々と主神たちの務めです。 - トールは大気界に二千の教育の”開拓共同体”を設け、さらに数えきれぬほどの製造と建設の拠点を築きました。
それは、地球生まれの者たちが霊的生活を営むための住居を、天界の天使たちがどのように用意すべきかを教えるためでした。 - 夜明けまでの三年間に、トールは四十億の花嫁花婿たちを精霊界への昇天に備えさせました。
- この間、大気界の天使たちは、精霊界の涅槃の王国――壮麗さ、威厳、力に満ち、男神女神たちが住まうその界について、多くを学ばされました。
- そしてトールは神の玉座から、神聖評議会に向かってこう告げました――
「精霊界のテロウの女神ベタティスに”天穹を駆ける迅使”を派遣し,挨拶したらこう言いなさい。
『ドンガのオリアン長であるジェホヴィの息子トールはこう言っていました。
地球の天界にお越しください。
私にはジェホヴィへの収穫として40億人の花嫁花婿たちがいます。
私の民が驚嘆するような最大級規模の、壮麗なエアリアタを用意いたします』と」 - 迅使は出立しました。
ただちに担当官たちは、ベタティスを迎える準備に取りかかりました。
また別の者たちは、大気界の各地へ火の船を派遣し、人々をガウへと導きました。
こうしてエアリアタの降下と上昇を目の当たりにした大気界の人々は、上天の偉大さを深く実感したのでした。 - これらすべてが成し遂げられ、ベタティスはきわめて華麗な姿で来訪しました。
ガウの王国および諸分国は、この式典を目撃するために集まった数十億の人々で埋め尽くされました。 - これがベタティスのエアリアタの規模でした。
直径は東西南北いずれも二千マイル、光球の境界に至り、高さは九千マイル。
光球内の船体は、東西南北各百マイル、高さ二百マイル。梁の総延長は千二百四十万、直立した柱は二百万本に及び、短い梁や柱はさらに数多くありました。
内部には、すべての魂が一室ずつ持てるだけの部屋があり、そのほか音楽や諸々の娯楽に適した集会場や寺院も設けられていました。 - 鏡や不透明な装飾品には、可動式と固定式のものがあり、色、形、色合いをはじめ、装飾や奉仕のため、あらゆる方法で備えられていましたが、その美しさは、これまでドンガにおいて決して超えられたことのないものでした。
エアリアタ全体が完成すると、それは骨組みを備えた楕円形の光球の姿を成し、透過と不透過とが交互に織り込まれ、あらゆる部分に彩りを添えていました。それは第三の復活のために整えられており、大気界の貯蔵施設や、下天に共通するようなものは一切ありませんでした。 - その荘厳さをさらに高めるため、ベタティスはエアリアタを旗と光で飾り立てました。
遠くから降下するその姿は、動く星々と波打つ光に囲まれた太陽のようでした。 - その随伴軍には、百万人のトランペット奏者とハープ奏者、そして二百万人の歌手がいました。
- 船の前方中央には、四百万人が集う神聖評議会の広間があり、その上には礼拝室、両側には舞踊と社交のための広間が設けられていました。
- ベタティスの船が、神のいる大気界の王国に近づくと、何百万人もの彼女の軍勢が船の梁や支索の上に立ち、あらゆる美を超越した精霊の船に生命の息吹が加えられました。
- ベタティスは、定命の者と天使たちにドンガの主たる女神の輝きと栄光を顕現させるため、地球とその天界が軸回転を行う地球の渦に入った際、エアリアタを望む位置に静止させられるよう、あらかじめバラストを備えていました。
- こうしてベタティスは、地球とその天界が一回転する間、ガウの天高原を越えたところで、火の船に留まりました。
- 翌日、彼女は、ジェホヴィの息子トールの指示のもと、大勢の聴衆とともに歓迎の準備していた神と主神たちのいるガウに降り立ちました。
- 船が速度を上げると、ガウの元帥長とベタティスの軍勢が合流し、ベタティスを神の玉座の前へと案内しました。
- トールは言いました。
「ジェホヴィの御名において、光の娘を歓迎します!」 - ベタティスは言いました。
「全能者に賞賛を!
愛において、あなたの祈りに答えるために参りました」 - 神が言いました。
「女神よ,ようこそお出でくださいました!
私の玉座にお進みなさい!」 - ベタティスは光の炎の中を進み、男神女神たちの作法に従って迎えられました。
そして彼女は玉座の中央部に座しました。
花嫁花婿たちの入門の儀は、直ちに執り行われました。 - 一日の余暇が設けられた後、ベタティスとその軍勢は、四十億の花嫁花婿たちとともにエアリアタに乗り込み、精霊の天界へと昇って行きました。
【4章】
- ダンの夜明けの四年目、ジェホヴィの息子トールは、精霊界のドンガ、ブルにある神聖評議会より、オリアン長たちによる裁可を受け、地球に百年の苦難を課すことが定められました。
- トールはラインズの神ワークを呼び、こう命じました。
「ジェホヴィはこの天界に甚だしい試練を下されます。
ヘイルーのもとへ行き、ゴナヤのアジの森にいる二万の大気人を救うに足るアヴァランザを備えるよう命じなさい。 - なぜなら、この天界の住人たちは霊的闇が深く、百年の苦難に耐えられず、地球へ堕下して胎児化に向かう恐れがあるからです」
- ラインズの神ワークは、大気人の状態を知るとすぐにヘイルーに向かい、上天の宣告と、ジェホヴィの息子トールの命令を知らせました。
- その後、トールは主神や元帥たちに命を伝え、地球と天界のあらゆる場所から、最も低位の天使たちを招集し、アヴァランザが到着するガウへ集結させるよう命じました。
- トールはアレスの女神ティシーンジを、天使たちの受け入れを監督し、秩序正しくアヴァランザへ搭乗させる役目に任命しました。
さらに彼女を補佐するため、五十万人の元帥と船長、百万人のエセナウルをその指揮下に置きました。
ティシーンジは、それぞれに任務と配置を割り当てました。 - これらすべてを成し遂げるため、トールは七十七日間(地球時間)を割り当てました。
すべての計画は極めて賢明に実行され、七十七日目にはアヴァランザが整い、すべての天使たちが搭乗の準備を完了していました。 - こうして、これらのことは実行されました。二百億の天使たちは、周囲をあらゆる方向から火の柱で囲まれたアヴァランザに収容され、たとえ混沌とした霊魂や愚鈍な霊魂であっても、一人として脱出できないようにされていました。
ワークとヘイルーが移住の全責任を担い、彼らは地球から上方へ、さらに外方へと進み、地球の渦の直径の七倍の距離にあるゴナヤの森へと天使たちを導き、そこに降ろしました。 - アレスの女神ティシーンジはこの二百億の天使たちの管理を任されており、あらかじめ賢明で力強い天使たちを十分に派遣して、受け入れの準備を整えていました。
- そのため、アヴァランザが着陸したときには、すべてが万全に整えられており、天使たちはそれぞれの成長段階に応じてゴナヤの森の各区域へと配属されました。
そして彼らには、適切な担当官と教師が付けられました。 - これらのことは、すべてティシーンジによって執り行われました。
彼女はアジの玉座を設け、評議会の神殿を整え、新たな開拓共同体を統治するために必要な一切を備えました。
そして、ダンの夜明けが終わった後を治めるため、彼女はゴナヤに一柱の神を定めました。
彼女は、ガウの第三天界タラシアに属する測量士ハゼデカをこの任に昇進させ、彼に「四百年間のゴナヤの神」という称号を授けました。 - さて、精霊界においてアジの居住地を創設することについて、以下の説明が、下天の定命の者たちと天使たちに示されました。
霊気の波動のただ中で、精霊人はそこに浮遊する原子的要素を集め、それらに軸的運動を与え、推進させ、力を結集しながら成長させます。
こうして、それは塵ほどの大きさから、やがて地球全体ほどの規模にまで拡大し、内外ともに天使――すなわち霊魂たちが居住できるものとなるのです。 - ジェホヴィはこう仰せになりました。
「”目に見えぬ大宇宙”に浮かぶ、固体としての地球、星、月と同じように、私はすべてのものに原子的な部分を与え、それらを霊気の中に浮かべました。
地球が空気とその上の霊気に支えられているように、物質界の一つの原子もまた、溶解した霊気の中に浮かんでいるのです」 - また、ジェホヴィはこう仰せになりました。
「人間よ、『私』という人格がただ一つの要素から成り、その状態の変化だけで私の宇宙が構成されているなどと考えてはいけません。
ある愚かな者は『血が肉と骨であり、肉と骨は血の状態にすぎない』と言いました。
しかしその者は、私が血そのものから肉を作っているのではなく、血が運んでいるものから肉を形づくっていることを理解していません。
同じように、私は『私の人格』という物質的なものを、『私という存在』が持つ霊気の中に乗せ、運んでいるのです」 - さて、ジェホヴィの息子トールについて述べるならば、アヴァランザの出発後、トールは地球とその天界に新たな神を任じ、これを戴冠し、人類が地球に住み始めて以来受け継がれてきた三角の秘宝を彼に授けました。
- ダンの夜明けまでに残された期間、トールは地球とその天界を巡って旅し、その記録を作成して、昇天の時にブルへ携えて行きました。
- ゴナヤへの二百億の復活によって生じた大規模な減少の結果、神とその主神たちは、ガウおよび地球における重い負担から大いに解放されることとなりました。
【5章】
- トールによるダンの夜明けが終わるころには、地上と天界にはすでに平和と繁栄が確立されていました。
そして今、トール自身が軍勢とともに昇天する時が訪れ、地球とその天界は、神とその主神たちの統治に正式に委ねられることとなりました。 - そこで、ジェホヴィの息子トールは”天穹を駆ける迅使”を精霊界へ遣わし、自らの昇天を願い出るとともに、ジェホヴィへの奉納として、六十億人の花嫁花婿たちの救済を求めました。
- これを受けて、精霊界のホトスクの女神シー・ウィーイングが、トールとその軍勢、そして六十億人の花嫁花婿たちのために降臨することが、ブルの評議会によって決定されました。
- シー・ウィーイングは船を建造し、この旅のために一千万の軍勢を集めました。
完成したその船を、彼女は「ハープ」と名付けました。
その構造は次のとおりです。 - 光球は南北に平たく、東西には楕円形を成し、平らな両側には開口部が設けられ、内部へ通じる通路がありました。
外縁を成す三日月状の構造は、直径三千四百マイルの円を描き、ハープ全体の南北方向の厚みは三百マイルでした。
中心部から噴き上がる火柱は、高さ千七百マイルに達していました。 - 光球の内部には星状の居住構造体が設けられ、それぞれが五つの突出部を備えていました。各星には百万の部屋があり、その一室一室が、花嫁または花婿ひとりの住居として割り当てられていました。
このような星は、全部で七千存在していました。 - 船の骨組みはクリスタルで造られ、不透明な部分と透明な部分が織り交ぜられ、あらゆる色彩、色合い、濃淡が施されていました。
星状居住体とその部屋群のほか、三日月構造の基部には、百万の音楽家が集うに足る大サロンが設けられていました。 - 神はシー・ウィーイングの来訪をあらかじめ知り、大気界全域と地上に在る主神たちに通達を送り、昇天の光景を目撃したいと望むすべての者を招集しました。
その結果、花嫁花婿たちを除いて、二十億の天使たちが集いました。その多くは、いまだ第一の復活から完全には救済されていない者たちでした。 - かくして、ホトスクの女神シー・ウィーイングは、その火の船にてガウの基部にまで降臨しました。
その来訪はきわめて壮麗で、トールと神、そして主神たちによって盛大に迎えられました。 - 彼女は玉座に上り、六十億人の花嫁花婿たちのために婚礼の儀を執り行いました。
その後、ガウにおいて一日の余暇が宣言され、その間、大気人と精霊人は、隔てなく自由に交流しました。 - 翌日、トールはシー・ウィーイングに同行し、彼女の船へと乗り込みました。
花嫁花婿たちと随伴軍勢を合わせ、その数はほぼ七十億に達していました。
すると、精霊の花々が雨のように降り注ぐ中、シー・ウィーイングは火の船を上昇させました。 - ガウに残った神とその軍勢は、「ジェホヴィ、永遠たれ!」の御印を刻んで敬礼し、これに、昇天していく幾百万もの者たちが応答しました。
- 巨大な船は中心軸を回転させながら、高く、高く昇っていきました。
やがて、空には上昇する一つの星だけが見え、それもほどなく遠方へと消えていきました。 - こうして、トールは地球とその天界における「ダンの夜明け」の大使命を完全に成し遂げたのです。
【6章】
- 再び地球とその天界は、さらに二百年間にわたって繁栄しました。
そして次のダンにおいて、五十億の霊魂が救済されました。
新たに立てられた神々と主神たちもまた成功し、一定の繁栄をもたらしましたが、その成果は前ほどではありませんでした。
続く収穫は、四十億の霊魂にとどまりました。 - しかし再び、偽主神や偽神たちが天界と定命の者たちの都市に、自らの王国を築き始めました。
そして、見てください、誰もが自らをトール、あるいはアポロと名乗るようになったのです。神殿や神託の場に現れる霊魂も、すべてこれらの名のいずれかを称しました。
こうした霊魂に強く影響を受けた定命の者たちは、自分自身をアポロやトールの再来であると信じ、また、取り憑いた霊魂自身もそのように名乗りました。
さらに、より知的であると自負する者たちは、こう言いました。
「預言者たちは、アポロの再臨を予告していたのではないか?
そして、サルギスを通して顕現するこれらの霊魂こそ、まさにその存在ではないのか?」 - かくして地上の諸国における迷信は極度に膨れ上がり、木の葉が一枚落ちることさえも、アポロやトールの再臨の兆しとして騒ぎ立てられるほどになりました。
多くの霊魂は第二の復活を放棄し、天界を離れて地上へ戻り、来るはずだと信じ込んだ出来事を待ち続けました。
しかし、実際には何一つ起こりませんでした。 - そこでジェホヴィは仰せになりました。
「すべての物質界は、『過剰な信仰の時代』を通過します。
私は人間に判断力を与え、物事を吟味し量ることができるようにしました。しかし人間は、極度の信じなさすぎる方向に走ります。
そこで私の天使たちが、人間にその不足を示すと、ご覧なさい、人間は反対の極へと走り、今度は何もかもを信じ込み、自らの判断を放棄してしまうのです」 - 神はまた言いました。
「なぜ人間や天使たちは、ある事柄が真に価値あるものとして証明されるまで、忍耐強く待とうとしないのでしょうか?
太陽は昔と変わらず輝き、星々は天界にそのまま在り、地球は定められた道を着実に進んでいます。
風は吹き、夏と冬は変わらず巡ってきます。
それにもかかわらず、人間は『大いなる奇跡が間近にある』と騒ぎ立てます。
だが、そのような奇跡は訪れず、新しいことは何も起こらないのです。 - ジェホヴィよ、どのようにして彼らを思いとどまらせればよいのでしょうか?
彼らのアポロへの渇望は、復活の地から何百万もの霊魂を呼び戻してしまいます。
そして試練と困難の中で、彼らは偽神や偽主神にとって、格好の餌食となってしまうのです」 - しかし、神の言葉に対する応えは、ただその言葉自身の反響のみでした。
神と主神たちは、地球とその天界を覆う闇を深く憂いました。 - そのとき、精霊界の上天からジェホヴィの光が差し込み、ジェホヴィの御声が響きました。
- 「男神女神たちよ、創造主の言葉を聞きなさい。
私の働きがいかに大いなるものであるかを見なさい。
私は、この者やあの者の利益のために働いているのではありません。
この民やあの民のためでもなく、一つの星や一つの天界の住民のためでもありません。
私は、何百万の星々と、何百万の天界の栄光のために働いているのです。 - ある人は降りしきる雨を嘆き、その隣人は同じ雨を喜びます。
ある者は陽光を祈り、別の者は陰を願います。
私は一人ひとりのために働いているのではなく、全体を完全なものとするために働いています。
それならば、地球の神とその主神たちは、なぜ今日、地球に降りかかる闇を嘆くのですか? - 私は、精霊界の大宇宙に闇の場と光の場とを設けました。
そして、私の創造したすべての物質界は、それらを通過しなければなりません。
闇の場と光の場とは、私の収穫にとって不可欠であり、それはまるで季節の移ろいのようなものです。 - 今、地球は深い闇の中を通過しています。
それは、後に続く時代のために、私が人類の諸種族を物質的に新たな実りへと結実させているからです。
この時代において、彼らが私のアジの場から吸収するものに応じて、その霊魂もまた、迷信と闇で満たされていくのです」 - かくして、トールの周期の最後の六百年間、地球は大いなる闇の中に入り、精霊の天界への収穫は一切ありませんでした。
しかし、何百万、何千万もの霊魂が大気界を離れ、定命の者たちと共に暮らすため、物質的な地球の上に住処を求めて降下していきました。 - イヒン人を除いて、ジェホヴィの光は人間から閉ざされ、向上への志は尽き果てました。
人々は怠惰な者や放浪者のようになり、死後もなお、定命の生の場に留まり続けました。
そのような霊魂の多くは、人間に自死を勧め、幾千、幾万という者が命を絶ちました。
人間たちには、太陽の下で苦難に耐え抜く勇気が、もはや残されていませんでした。
彼らは死者の霊魂と共に在り、語らい、姿を見ることで、地上の試練から逃れようとしたのです。 - また、地上に集まった霊魂たちも、上天についての知識を持たず、自らが何処に住み、いかに時を過ごしてきたのかを他者に伝えることもできませんでした。
実のところ、彼らは天界にも地球にも、いや、自分自身にさえ、何一つ益することがなかったのです。 - こうしてトールの周期は終わりました。
その年月は、三千二百年でした。
原文:OAHSPE – The 1882 Edition (English Edition)


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