本書は、ジェホヴィの息子リカの時代における信仰者たちの3大指導者カピーリャ、モーセ、チンの歴史です。上界の書(リカ)が天界に関するものだとしたら、下界の書(ボンの弧)は、神の統治における地上の出来事を主に扱っています。
【1章】
- ヴィンデュのヤティンハダッタの上級国にあるダーマの山で、ジェホヴィの息子である神は、離散してしまった信仰者たちを集め、安全と繁栄を確立させるため、カピーリャの一族を選びました。
- カピーリャの時代から遡ること6世代前、神は天界の聖なる丘に降臨し、現在ヴィンデュと呼ばれるセムの地に降り立ちました。
- 神は領内全土に大声で呼びかけましたが、誰一人その声を聞く者はいませんでした。
- そこで神は天使たちを呼び寄せてこう言いました。
「ここに来て見てください。ここには何百万人も住む大国があるのに、彼らは神の声を聞くことができません」 - 神は天使たちに定命の人間たちの下に降臨し、6世代にわたって彼らと共に住むように命じました。
- 神は天使たちにこう言いました。
「神の声にとって都合が良いように、あなたたちは啓示やそれ以外の方法で男女が夫婦となるように導きなさい。私は御父の信仰者を救済するため、私の声を聞くことができる1人の人間を育てなさい」 - その時、天使ヒラタクスを指揮官に50万にも及ぶ神の天使たちが地上に降臨しました。ヒラタクスは天使の眷族をいくつかのグループに分けてそれぞれヴィンデュの特定の場所を割り当てて、そこで暮らし、任務に当たらせました。
- 当時、信仰者たちはヴェーデ、パーシー、ヒヤ、シアッタホーマといった名で知られていましたが、その他にも特記されないような様々な名前で呼ばれていました。
- 彼らはある場所では奴隷であり、ある場所では農奴、そしてまたある場所では荒野や山中に隠れ住んでいました。彼らは無抵抗で臆病であり、ディアスやその他の偽神や偽主神の偶像崇拝者により激しい迫害に遭っていました。
【2章】
- カピーリャの誕生に至るまでの離散した部族の系図は次の通りです。
- 主神の子ブラフマーの系譜において、ハティヴはルノアドを生み、ルノアドはヤイドを生み、ヤイドはオヴァラナを生み、オヴァラナはチェサムを生み、チェサムはホッタヤを生み、ホッタヤはリヴィアトを生み、リヴィアトはドールを生み、ドールはアヴラを生み、アヴラはルタを生み、ルタはジェイムを生み、ジェイムはヤンハドを生み、ヤンハドはヴラヴィシャを生み、ヴラヴィシャはホアミヤを生み、ホアミヤはウォチャを生み、ウォチャはサラッタを生み、サラッタはフリヴィースタを生み、フリヴィースタはサマトラヴを生み、サマトラヴはガトナットを生み、ガトナットはトゥリンを生み、トゥリンはヴリサガを生み、ヴリサガはヘセムウォッチを生み、ヘセムウォッチはラタを生み、ラタはヨシュオルヴァトを生み、ヨシュオルヴァトはカピーリャを生みました。
- 神の聖天使たちを通して神の道を知り、神の啓示の光の中で役立てなさい。
- カピーリャは生まれながらの無性者であり、また生まれながらのスイスでもありサルギスでもありました。
- 神は言いました。
「ご覧なさい、人間は自分の農園で種なしの果実の栽培を学ぶだけでなく、全ての果肉が『不毛』という同じ方向に向かうことも学ばなければなりません」 - 人間がジェホヴィの光に近づくにつれ、その種族の子孫は少なくなります。そして人間が『あらゆる光』と一体となる時、ご覧なさい、その者もまた無性者となるのです。
- 神は言いました。
「減食と断食によって、無性者でない多くの人々でさえも無性者に到達することは可能です。しかし、生まれながらの無性者は、ジェホヴィの道にさらに近づくことができるのです」 - カピーリャが生まれた時、彼の頭上に三日月の光が現れ、その光の中から神の声が聞こえてきました。
「この子は私の息子です。この子により、私は私の民を迫害してきた暴君たちの政府を倒します」 - カピーリャの母が身籠っていた時、大天使ヒラタクスの指揮下にあるジェホヴィの天使たちは、昼も夜も聖なる思いを巡らしながら彼女を守護していたため、母親の心はいつも天上のことを想っていました。
- カピーリャが生まれると、ご覧なさい、ヒラタクスは144人の天使の眷族を任命し、昼夜を問わずその子と共にいるようにしました。そして守護天使たちを4つに分けて、6時間毎に交替で監視に当たらせました。
- こうして神の天使たちはカピーリャに生まれた時から教育を施したので、カピーリャは他のすべての子供たちよりも賢くなりました。
- ところで、神が創造主の栄光のために諸国を統治する方法について、この救出の歴史を考えてみてください。
- ジェホヴィは、ヴィンデュの王の権力が、ハフガニスタンの王ヨコヴラナに集中することを許しました。ヨコヴラナは首都オブロウスキの王であり、ディアスに捧げられた大都市でした。ヨコヴラナは自国に貢納する40の州と400の都市を持っており、各都市はそれぞれ1人ずつ統治者がおり、ヨコヴラナ王の王室評議会は彼らで構成されていました。
- ハフガニスタンの法律では、最年長の男子の相続人が王位を継承しました。しかし王に男子の相続人がいない場合、王の長兄の男子が相続人となり王位を継承しました。そのため、どの王も男子を望みましたが、ヨコヴラナはジェホヴィの天使であるルーイの計画によって阻まれました。
- ルーイ長ヒラタクスはこう言いました。
「ジェホヴィよ、私はあなたの後継者を育てるだけでなく、あなたの栄光のためにその敵をも支配してみせましょう。私は啓示を下して、王の中の王と不妊の女と結婚させます。王には後継者が生まれないので、彼は迫害され追放されている信仰者たちを救う私の手駒となることでしょう」 - 当時、偉大なる霊魂オーマズドの崇拝者の子孫は教育を受けることを禁止されていました。それは、選ばれた民である信仰者たちの中から学識のある人物が救済に現れることを恐れたからで、彼らを無知の中に閉じ込めておくためでした。ジェホヴィの天使は、カピーリャが学識のある人物であり、各都市や王室会議に顔が利くようになることを予見していました。
この件に関して、天使ヒラタクスは、子供がいない大王ヨコヴラナは王位継承者となる後継者を望むであろうと予言しました。 - 王が神託を伺うと、見てください、ジェホヴィの天使たちが王にこう答えました。
「妻を暗い部屋に9ヶ月間閉じ込めておきなさい。そうすれば、彼女は男の子を産むでしょう。その子はあなたの弟の子供から王位を守ってくれることでしょう」 - 王は、出産期が終わろうとしていた王妃にそのことを伝えましたが、王妃は信じようとしませんでした。それでも王妃は神託にお伺いを立てると、ジェホヴィの天使はこう言いました。
「王は王位継承者を得ようとして、今まで妻を殺してきたのではありませんか?」 - 王妃は頷くと、こう続けました。
「確かに私は子供が産めないことが分かっていますが、どうしたらよいでしょうか?」 - 天使は言いました。
「王の仰せの通りにしなさい。そうすれば、天使たちがあなたが閉じ込められている暗い部屋に男の子を連れて来ます。あなたの侍女と召使いたちには、他の女性があなたの部屋に入ってこないように見張りをさせなさい。そうすれば、その子があなたの子であることの証拠となります。
また、死刑に処せられる恐れがあるので、このことは王に告げてはなりません」 - 一方で、ジェホヴィの天使たちはカピーリャの父母に、カピーリャが生まれる前から、その子が連れ去られ、最も憎まれ残虐な人物として知られるヨコヴラナ王に引き渡されることを予言していました。
天使たちはさらにこう言いました。
「あなたたちはその子を失っても悲しんではいけません。なぜなら、オーマズドはその子を民衆の救世主とするからです。それにその子が王妃に渡された日に、その子の母親が乳母となります」 - これらは実行され、カピーリャが生まれると天使たちは天使たちは彼をオブロウスキの町へと連れて行き、そこにあった王宮へと運び込み、暗い部屋の中で王妃の腕の中に抱かせました。
そしてこの瞬間、天使たちは部屋を照らすと、侍女や召使いたちは誰もがその子とその光を見て驚愕し、その場に平伏し、ディアスの庇護を求めてお祈りしたのでした。
原文:OAHSPE – The 1882 Edition (English Edition)
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