本書はジェホヴィの息子アポロの書と同時代の書です。後者が天界に関するものであるなら,主神の書は同時代の地球に関する書となります。
【1章】
- ルプタ弧とモス弧として知られる天界の時代のこと。
主神は火の海を通って地上へ降臨し、グアタマの地に降り立ちました。 - そして主神は、大地と水面に向かって呼びかけました。
「主神に選ばれしイヒン人よ、どこにいますか?
おお、人よ、応えなさい。あなたの神の呼びかけに出てきてください」 - すると、人は神の呼びかけに応じて答えました。
- 「100万を超えます。200万人、いや400万を超える者があなたの民でございます、おお、主神よ!」
- 主神は言いました。
「私の民はどこにいますか?
洪水の時に私が救った、聖なる民イヒン人の地とその境は何処ですか?」 - 人は答えました。
「諸河川の源、カカチャク川(アマゾン)の上流から。
海のように広いテソンカ、そしてオム(メキシコ)の高原へ。
オワンガチェ、ナソン、ネシェス、テスメスガド、ナファル、そしてオワネ(ニカラグア)湖の畔のイエシュアの大都市へ。
ここには、銅・銀・金に輝くラコワナの塔がそびえ立っています。
また、ラクサ川とその湖ジョンガンのほとり。
さらに、ゴマガット(三日月の地)とタクシャンの平原を越えて、そこでは布の帆と横梁を備えた大きな船を建造しています。
そして、ウフシクとエチャンの北の地へ。
そこは、穏やかなエフス川(運河)の源であり、それは広大なヴィドとサジンス(スペリオル・ミシガン湖)に流れ込んでいます。
その地でイフアン人が深く鉱脈を掘り、銅、銀、鉛を採り,船でアヴァヤ王――イフアン人の君主にして良き守護者――のもとに運んでいるのです」 - 主神は言いました。
「あなたは,すべての場所のうち、最も偉大なところの名をまだ挙げていません。
あなたの目は見ておらず、あなたの耳は聞いていません。
それゆえに探し求めなさい,そして賢くなりなさい」
人は言いました。 - 「私は神の前に恥じ入り、主神が語られたことに知ろうと、大いなる学びを求めて旅立ちました。
北へ一年、南と東へは多くの月日を旅しました。
私は、本にも語りにも通じた大いなる学識のラバを見つけ、また大都市には主神の多くの預言者たちがいました。
そこで私は尋ねました。
『主神に選ばれし者の住む、最も偉大な場所は何処ですか?』
すると、彼らは皆、私がかつて主神に答えたのと同じ答えを返したのです。
その後、私は、オナアウトシの谷にある、年ごとの舞踏が行われる町タズンカに至りました。そこには、銅で覆われ磨き上げられたラバの神殿がありました。
私はそこで再び同じ問いを発しました。
私の内なるチェバ――価値あるすべてを記録しようとする魂の働き――がそれを求めたからです。
しかし悲しいことに,私は自らの言葉のこだま以外の答えを得ることはできませんでした」 - 神は言いました。
「私の選民は何処にいますか?
イヒン人の最も偉大な在所は何処にあるのですか?
あなたはイフアン人の大都市や王国、彼らの偉大なる学びの場を示しました。
だが、そのすべての中で最も偉大なものを、あなたはまだ示していません」 - 人は答えました。
「私は存じません、主神よ。どうかお語りください」 - 主神は言いました。
「イフアン人の中に、イヒン人――小さき聖なる民――がいます。
イフアン人の大都市の郊外にある、その小さな町々こそ、最も偉大な町なのです」 - 人は神に尋ねました。
「そんなことがありえるのでしょうか?
ご覧ください,イフアン人はイヒン人の三倍の数なのです」 - 主神は言いました。
「刻み整えた石で神殿を建て、それを磨き上げた銅で覆う者たちは、私の民ではありません。
兵を集めて城を固める戦の王たちも、私の民ではありません。
彼らは偉大ではありません。 - しかし――私の選民は、土を盛った塚に住み、木の壁や土の壁の町に住む者たちです。
彼らこそ、すべての民のうちで最も偉大です。
彼らは豪華な衣を纏わず、銅や銀や金で飾り立てることもしていません。 - 彼らは学びの民です。
彼らは運河の道を測り、矩と弧を見いだし、イフアン人を鉛・銅・銀の眠る鉱山へと導きます。
彼らこそ、偉大なる民です。 - 彼らなくしては、イフアン人は自らの家を建てることもできず、運河の水平を見いだすことも、神殿を建てるための矩を定めることすらできません。
イヒン人こそ、偉大なる民なのです。 - 私の選民は、整った足と腕、形の整った手足を持ち、その髪は長く真っ直ぐに伸び、白と黄に輝いています」
- 主神は言いました。
「それに引き換え,イフアン人は、さまざまな形と大きさ、あらゆる階級と判断力に分かれ、その最下には獣と変わらぬ無知な者までいます。
見なさい、彼は闇の末裔を生みつつあります。 - 来なさい、選ばれし者よ。
あなたたちはイフアン人のために家や神殿を建てましたが、それらが何の益となるというのでしょうか? - ご覧なさい。
彼らは部族は部族に、国は国に対して戦を起こしています。
もはや彼らは、私のラバや司祭の言葉に耳を傾けようとしません。 - さあ行きなさい。今こそ、神に捧げる神殿を建てるのです」
- その後、イヒン人は神の言葉の真意を尋ねました。
- 主神は言いました。
「長きにわたり、私は選民イヒン人を通して預言してきました。
だが今、私は銅色の人種イフアン人の中にも預言者を興そうとしています。 - これはあなたたちが”偉大なる霊魂”と、その堕天の王国のために建てる神殿です」
- 主神は続けて言いました。
「私の審判の前には、二つの民がいます。
一つは、神の声を聞かず、神をも知らぬ民。
しかしもう一つの民は、私を知続けるの戒めに従おうと努める者たちです。 - 神は、イフアン人のために労しつづけることに倦み果てられました。
彼らは光よりも闇の道を追い求めたからです。 - そこで主神は守護天使たちを呼び戻し、しばしのあいだイフアン人を独りに任せられました。
すると、闇の霊魂どもが彼らのもとに来たり、憑りつきました。 - その同じ時に、主神は選ばれし者の腿のかたちと、短く整った腕をあらわにさせました。
するとイフアン人は法にそむいて彼らを誘惑しました。
かくしてイフアン人の女たちはその征服を誇り、より整った姿の子を産むようになりました。 - 時が経つと、その子らは男女に成長し、預言の賜を受け、幻を見る賜を受け、天界の天使の声を聞く能力を持っていました。
そして彼らは”オンウィーガン”――”形よき人々”と呼ばれました。
【2章】
- 神は言いました。
「オンウィー人をイヒン人と共に住まわせてはいけません。
私の選民の種が失われぬためです」 - オンウィー人は突如として世に現れ、北へも南へも、東へも西へも、幾千、幾千の者たちが次々と生じました。
彼らの髪は長く黒く、粗く、その肌は銅に似た褐色で、腕はイヒン人のように短くありました。
オンウィー人はきわめて誇り高く、イフアン人とは交わらず、また主神の戒めのゆえに、聖なる民とも交わることを恐れて控えていました。 - こうしてオンウィーガンは、イヒン人の均整と、イフアン人の野蛮さとを併せ持つ新たなる種族となりました。
そして肉と魚を常食としたため、下天の天使らの支配のもとに落ちてしまい、主上神を拒みました。 - 主神は言いました。
「このことすらも、やがて来る時に彼ら自身の救いのために用いるでしょう」 - そして主神はイヒン人に命じて、オンウィーガンに法律と儀式と典礼を授けました。
これらのことは命のままに行われました。 - その後、下天の天使らがやって来て、オンウィー人に、敵たる長腕のイフアン人を去勢する秘術を教え、槍や弓矢、ダーツ、釣り針、網の作り方を教え、火打石を打って火を起こす方法を教え、肉や魚をより美味となるように調理する術を教えました。
そしてこれは、洪水の時代以来、人が口にした最初の火を通した食物でした。 - イヒン人はオンウィー人が肉を殺し食すようになったことで、主神が地に審判を下されるのではないかと恐れました。
しかし主神は言いました。
「オンウィー人がその務めを果たすのを許しておきなさい。
土地という土地には、獣と蛇が満ちあふれているからです。
とはいえ、やがて大いなる破滅が、イフアン人にも、地上人にも、そしてオンウィー人にも訪れるでしょう。
彼らの大いなる都市は打ち壊され、その地は荒廃します。
だが私は、それらを今日にも増して、大いなる栄光をもって再建しましょう」 - そして、主神がイヒン人の預言者を通して語られたとおりになりました。
三千年ののち、大柄で容姿の整った新しき種族オンウィーは、長腕のイフアン人と、短足の民とをも上回るようになりました。 - 神は言いました。
「おお、人よ、聞きなさい!
あなたの神である主神がどれほど大きな労苦を担っているか、悟りなさい。
ジェホヴィは主神にこう仰せになりました。
『かの地球に行き、人を直立させなさい(ニ足で歩む者としなさい)』
そして主神はそれを成し遂げました。
ついでジェホヴィは仰せになりました。
『さらに行き、地上の人のかたちを整えなさい』
そして主神は、これをも成し遂げる道を見いだしたのです。 - あなたの神、主神のことを忘れてはなりません。
あなたが久しく天に昇ったのち、このような労苦があなた自身の務めとなるのですから。
見なさい、ここには何百万もの世界があり、日ごとに新たな世界が生み出されています。
判断を広げ、自らを広く包容力ある者となりなさい。
そうしてこそ、叡智をもって全能者の栄光を満たすことができるのです」
【3章】
- 神は言いました。
「人よ、主神の言葉を聞きなさい。
あなたの小さき知恵をもって、あなたの神である主神が担っている労苦の大きさを、慎み深く思い巡らしなさい。 - ジェホヴィは、ご自身が創造した諸世界において、人間が新たな秩序のもとで発展するため、定められた時と時期を割り当てられました。
そして、時と時期、また地球の状態に応じて、あなたの神である主神は人間の種族を備えられたのです。 - 人を高め、その者が美しき創造を理解し、それと調和する存在となるよう育て上げること、それこそが、あなたの神の栄光なのです。
- ご覧なさい、私はグアタマの地について語りました。
地上の一つの地域が、ある法によって、私の心に応えるよう備えられたからといって、他の地域も同じ方法で備えられていると思ってはなりません。
あなたの神である主神は、猛獣や大蛇に満ち、滅ぼされねばならぬ地を見いだし、それを成し遂げるための人間の種族を備えられます。
そして人は、しばしの間、神の許しのもとに肉食となるのです。 - 他の国において、主神は旱魃や度重なる飢饉を見いだし、それに適した知識を人に備えられます。
同じように、地球にも、人が一つの状態から、別の状態へと移される時期があります。
地球の進歩に応じて、神は全能者の栄光のために、人をそのような状態へと高められるのです。 - 選択の法則について、あなたの判断を誤らせてはなりません。
選択の法則というものは存在しません。
人間には、自らの霊感によって、自分の子孫の姿形や判断力を選び、備える力はないのです。 - 人は肉体の衝動によって結婚するのであり、その結果についてはほとんど顧みません。
その子らの足が長いか短いか、戦士となるか、あるいは愚者となるかなど、人は気に留めないのです。 - 女性は、なおさらそのことを気にしません。
それでも後の時代には、男も女もこれらのことを考慮し、ある程度は自らを律する時代が訪れます。
しかしその時代においても、彼らの努力はほとんど実を結びません。 - 世界の草創期において、人には生まれつき二つの衝動しかありませんでした。
それは食することと、交合に身を任せることでした。
人は、それらがどのような結果をもたらすかを顧みませんでした。
そこで主とその天使たちは、本人には知られぬままに、人をしてその時と時期を満たすよう導きました。 - 今、私はコスモンの時代において、地上における天界の統治、すなわち、あなたの神と人類の天使たちによる支配を明らかにするため、あなたのもとを訪れました。
ご覧なさい、アポロの時代において、人は現在の姿をもって地上に生み出されました。
その日に、地球の一つの時と時期は成就したのです。
それは、今日あなたの主神が人を、戦士の種族から平和の種族へと変えるために来られたのと同じです。
なぜなら今こそが、その結末に向かうための、最もふさわしい地球の時と時期だからです。 - アポロの時代には、イヒン人以外から最初の預言者たちが起こされました。
その日、肉を食する人であったイフアン人は、初めて主神の声を理解をもって聞くことができるようになりました。
そしてあなたの神は、調和と均整と音楽の神を心に留めること、また地上のあらゆる地域にその像を建てることを、人に命じたのです。 - 人よ、徹底して探究しなさい。
なぜなら、この日、この世代において、地上のあらゆる地域に、アポロの伝説と歴史を見いだすことになるからです。 - その名が表す語義は、いずれの言語においても同一です。
- ご覧なさい、グアタマにおいて主は予見者たちを起こし、猛獣や大蛇を討つ方法を彼らに教えました。
同じ時代に、セム、ハム、ヤフェトの地においても、同一の目的のために他の予見者たちが起こされました。
そして、これら偉大なる討伐者の名は、今日に至るまで、これら諸国の定命の人々の歴史の中に保存されています」 - かくして主神は、地上に新たなる種族を創造しました。
地上のあらゆる地域において、この新しき種族はイヒン人とイフアン人から生じ、彼らが住まった国々に応じて、今日に至るまでその痕跡を見いだすことができます。
その中において、あなたの神は、血統に混じりなきこれらの民に、偉大なる霊魂、ジェホヴィのほかに、いかなる神も、いかなる主神も仰がせぬよう戒めました。 - それにもかかわらず、アポロの時代において、この新しき種族は、地上に住まっていた幾億ものイフアン人、地上人、イヒン人に比べれば、なお僅かな存在でした。
しかもイフアン人は、千年以上にわたり戦乱に明け暮れていました。 - 彼らは大都市を築き、強大な王国を樹立しましたが、建てられるや否や、戦争によって打ち倒され、あるいは散逸していきました。
- 神は言いました。
「今、私は人に新たな戒めを与えます。
前進して地を従え、目の前に来るあらゆる猛獣、あらゆる蛇を討ちなさい。 - 猛獣や蛇の肉と血を食してはいけません。
それらは命を宿しているからです。 - また、蹄の分かれていない獣の肉、ならびに豚の肉を食してはいけません。
- しかし、蹄の分かれた獣はすべて、食用としてあなたたちに与えます。
なぜなら、あなたたちがやがて猛獣の代わりにその地位を担い、彼らが食していたであろう肉を、自ら食することになるからです」 - そこで主神は、新しき種族ガンに割礼を授けるため、イヒンの司祭たちを遣わしました。
そして主神はガン族に、同族のうちで婚姻を結ぶよう命じ、全地を彼らの守りに委ねると約束しました。 - ガン族はイヒン人のならわしに従って衣をまとうようになり、イヒン人は彼らに儀式と典礼を授け、ジェホヴィの御前で祈り、舞うことを教えました。
原文:OAHSPE – The 1882 Edition (English Edition)


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